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空気清浄機
 Caffe` Italiano (カフェ辞典)
イタリアでカフェといえばエスプレッソ。はまり込むとヤミツキになる世界が、そこにあります。基本的にドリップ式のコーヒーは存在しない国。イタリアのカフェの世界、ちょっと覗いて見て下さい。
 Caffe` espresso / カフェ・エスプレッソ
定番のイタリアン。蒸気で出す、イタリア人御自慢の濃厚なコーヒー。デミダスカップに1/3ぐらいの感じ。不思議なことに、これが国境を越えてフランスに入ると、もうこの濃さのカフェには出会えません。
 Caffe` ristretto / カフェ・リストレット
エスプレッソを更に濃く出したカフェ。どうもシャキッとしないときなんかに飲みます。デミダスカップに1/4ぐらいの感じ。仕事の合間にBARで休憩している人なんかが頼みます。
 Caffe` lungo / カフェ・ルンゴ
エスプレッソを少し薄めに出したカフェ。それでも日本で一般的に飲まれるエスプレッソよりは濃いです。フランスやスペインではこのくらいの濃さがスタンダードみたいですね。
 Caffe` macchiato / カフェ・マッキャート
エスプレッソに少量のミルクを入れたもの。温かいミルクならマッキャート・カルド、冷たいミルクならマッキャート・フレッドなんて呼んだりします。イタリア語で「マッキャ」とは「しみ」「濁り」等の意味。つまり、カフェをミルクで濁らせたバージョンということです。口当たりが少しマイルドになりますね。
 Caffe` corretto / カフェ・コレット
エスプレッソに少量のリキュールを入れたもの。グラッパやサンブーカなんかを入れます。大人のカフェ。サービス旺盛なお店では、リキュールがカフェよりも多く入ったりして、どちらが主役か分からなくなります。
 Caffe` marocchino / カフェ・マロッキーノ
カフェ・マッキャートにカカオを入れたもの。結構人気があります。要はカプチーノの濃縮版なのですが、地域によってはカフェ・モンテカルロと呼ばれます。
 Capcino / カプチーノ
おなじみ本場のカプチーノ。
ミルクはキメ細かく泡立っているほどよろしい。特に朝飲みます。これにビスケット等をじゃばじゃば浸けて食べるのがイタリア式朝食です。一般的に食後には飲みません。
 Latte macchiato / ラッテ・マッキャート
エスプレッソにミルクを加えたもの。ミルクも蒸気で温めます。カプチーノとの違いはミルクの量。こちらの方がミルクがたっぷり。カフェの苦味が苦手な人向き。
 Caffe` Latte / カフェ・ラッテ
イタリアではあまり一般的ではない名称。ホテルの朝食などで自分でミルクを加えるスタイル。ラッテ・マッキャートトの違いはミルクが泡立っていないところ。フランスのカフェオレに近いスタイル。
 Latte / ラッテ
カフェとミルクのコンビネーションからカフェを抜くと。はいただのミルク(牛乳)です。結構誰でもBARで注文して飲みます。温めるとラッテ・カルドと呼ばれます。
 Caffe` d'orzo / カフェ・ドルツォ
麦で出来たカフェ。というかカフェもどき。カフェイン等、コーヒーの成分が気になる人はどうぞ。味は麦茶を濃縮した感じ。カフェ・アレルギーの人とかが飲みますが、麦で出してまで飲まなければいけないイタリアのカフェということですね。
 Caffe` americano / カフェ・アメリカーノ
エスプレッソに湯を足して薄めたもの。本当のドリップ式アメリカン・コーヒーとは別物ですのでお気を付け下さい。イタリアではこれがアメリカン。「やっぱりエスプレッソは苦すぎてどうも」という人はどうぞ。
 Caffe` shekerato / カフェ・シェケラート
エスプレッソからつくるアイスコーヒー。出来たてのエスプレッソと氷、シロップ、ヴァニラをシェーカーで振って(またはミキサーで)作ります。リキュールを入れるお店もあります。イタリアの夏はこれがないと乗切れません。
 Caffe` freddo / カフェ・フレッド
一般的には作り置きのアイスコーヒー。上記のシェケラートとは別物です。
 付録1: イタリアのカフェ事情
カフェの「イタリア風正しい飲み方」を紹介します。「カフェってエスプレッソのこと?」もちろんそうです。それ以外のカフェはそれぞれ名前があるので(辞典を参考のこと)、浮気しないでカフェといえば「エスプレッソ」だと思ってください。まず砂糖を最低でもスプーンに1杯入れてください。理想は2杯ですが、4杯までは常識的な範囲だと思ってください。「えっ、私いつも砂糖なしで飲んでる」という人は、この際考えを改めましょう。砂糖なしのカフェは存在しません。砂糖を入れたら気長によく混ぜます。この時スプーンは短めに持ち、手首は固定したまま指先の運動だけでかき混ぜます。(図1)最低でも1分間はこの作業を続けます。飲むときは2回から3回で飲み干し、最後にカップの底に残った、溶け切っていない砂糖をスプーンですくって舐めます。(このフィニッシュのためにも砂糖は欠かせません)「え、お友達とおしゃべりしながらゆっくり飲んじゃいけないの?」ゆっくりおしゃべりは問題ありません。でもせっかくのカフェが冷めてしまっては大問題になります。おしゃべりをしながらキチンと砂糖を入れ、キチンとかき回し、キチンと飲むよう心掛けましょう。

 付録2: ナポリ式カフェ
家で飲むカフェについて。普段イタリアの家庭で飲むカフェは、マッキネッタ(図2)と呼ばれるコンロにかけるタイプの物で出すのが一般的。パスタを茹でる鍋とこのマッキネッタはイタリア生活の必需品なのです。 でも最近は小さなエスプレッソマシーン(バールで使ってるやつの小型版)を使う人も増えてきました。さて、前出のマッキネッタはコンロにかける下の部分に水、中間にコーヒー豆を入れて、沸騰したときに勢いでお湯(蒸気)がコーヒーの粉を通りぬけ上部に溜まる仕組みになっています。そのマッキネッタにナポリ式という旧式のタイプがあります。こちらは火にかけて沸騰させ、中間にコーヒー豆を入れるところまでは同じだけれど、沸騰したらすばやくマッキネッタをひっくり返してドリップする要領でコーヒーを出します(図3)。秘密はひっくり返した時に下になってコーヒーが落ちる部分にポットのような注ぎ口が付いていること(ちょっと説明が難しいね)。今では見つけるのも一苦労のナポリ式の話しでした。

 付録3: オープン・カフェ
カフェといえば思い浮かべるものに「オープン・カフェ」ていうのもあると思います。ここ数年日本でも急増しているようですが、ヨーロッパでは(特に夏場)一般的なスタイルで、歩道まで、お店の外にテーブルを並べます。通りにいくつも並んでいるBARがみんな歩道側に席を出している風景は、活気があって、陽気で、通りすがるだけでも好ましいですね。たまたま歩いていたらランチしている友達を見つけて、「チャオ!」とそのままそのテーブルに椅子を追加してもらい、カフェを注文して飲む間だけおしゃべりしたり出来るのも嬉しいものです。気分までオープンになるみたい。
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