とうとうこういうニュースが届いてしまいました。デザイナーのエットーレ・ソットサスが(大晦日に)亡くなりました。90歳だったそうです。おいらは直接面識があったわけではないけれど、何度かあいさつはしたことがあります。そもそも、おいらが今イタリアで生活をしている原因となった人だし。
その昔、倉敷のAC美術研究所というところでデッサンや色彩構成など、受験用のため本格的にお絵かきを勉強し始めた頃、ここの事務室にある「メンフィス」というイタリアのデザイングループの作品集にショックを受けたのがそもそもの始まりでした。このグループのボスがソットサスでした。
その後大学でデザインの勉強をしていたのだけれど、学校で教わるデザインの仕事というのは、おいらのイメージするそれとはちょっとずれていて、日本ではおいらがやりたいと思っているような仕事は出来ないんじゃないのかと思うようになりました。それで、卒業前からイタリアに来ることを決めていたんだけれど、当時まったく知り合いもない、言葉もまだ習っていなかった国へ、事前に結婚までしてやって来たんだから、今思うとずいぶん無鉄砲だったような気がしないでもないです。
いろいろあって、最初の年に仕事が出来る場所を見つけることが出来たのですが、そこがソットサスの1番弟子的な存在だったジョージ・ソーデン事務所でした。(余談ですが)1番弟子的立場だったもう1人のデルッキ氏なんかは、現在のイタリアデザインの代表的存在みたいになっていますが、ここ数年おいらの師匠にあたるソーデン氏は急速に影が薄くなっていっているので、なんだかちょっと寂しい気もしています。
ともかく、ここで6、7年仕事をしてから独立したので、おいらも流れ的にはソットサスの亜流的立場にいるんじゃないのかと思います。とにかく、この人は世界的にも多大な影響を与えた特殊な人でした。
昨年、90歳の誕生日に直接あった人から「最近のソットサスは、ほとんど寝たきりらしいので、ちょっと寂しい」みたいな内容のメールをいただいたりして、あまり元気ではないのは知っていたけれど、おくやみのニュースを見ると、やっぱり寂しい気がします。